モバイルプロモーションのこれまでを考える

~現場主体の モバイルプロモーション~

モバイルを利用したプロモーションのこれまで

2000年のドコモ社によるiモード登場以来、携帯電話を利用したコンテンツ開発やサービス提供が全盛を極めてきました。現在では、その端末機はスマートフォンが主流となっています。このスマートフォンが登場する前のモバイルプロモーションと言えば、『メルマガ』配信が主流となっていました。
メールを利用し、お客様を店頭などへ呼び込むことや、E-コマースへ繋げる路線が主だったものでした。
その後、スマートフォンの普及が進むにつれ、情報量の拡大、UI/UXの拡張からSNSを利用したデジタルプロモーションなどへ発展してきました。また店頭といった現場(on-site)に於いては、ポイントシステムや店頭抽選へと進化してきます。

 

リアルな体験につながる、
on-siteデジタルマーケティング(モバイルプロモーション)とは?

『on-site:オンサイト』とは、『現場(現地)』のこと。

当協会では、
インターネット上だけでは完結しない、現場・現地といったリアルな現場環境で行われる、デジタルを利用したプロモーション施策を『on-siteデジタルマーケティング』と呼んでいます。

またこれを協会では「モバイルプロモーション」と定義しています。
例えば、店頭やイベント会場といった場所で実施されるプロモーションを言います。

以前、o2o(Online to Offlie)というワードもありましたが、インターネット(オンライン)から、現実社会(オフライン)へ誘導する意味合いよりも、現実社会の現場環境で行う携帯電話端末を利用したプロモーション活動という意味が強くなっています。
 

一般的なデジタルマーケティングとの違い

 一般に『デジタルマーケティング』とは、デジタル上で完結するマーケティング(プロモーション)活動を指します。インターネット広告、SNS、各種ポイントや抽選システムなど、仕組みの中に必ずしも『現場(現地)』といったリアルを必要とせずとも、実施可能なスキームとなります。
 またデジタルマーケティングおいて、現場への誘導(送客・集客)を伴う場合は、『o2o施策』と呼ばれます。on-siteデジタルマーケティング(モバイルプロモーション)では、必ず『現場(現地)』を伴い、送客・集客から更に現地での活動補助も含まれる、まさに現場ありきのマーケティング施策です。

 

on-siteデジタルマーケティング(モバイルプロモーション)が、
注目されてこなかったのはなぜなのか?

かつて、現場主体のモバイルプロモーションは、注目されてきませんでした。これにはいくつかの要因(企画考案の難しさ/開発スピード/高額な開発費/分業による調整の難しさ)があります。

①企画考案を行う人材不足
広告代理店などが行う現場主体のプロモーションにデジタルを組み込もうとするには、現場の様々な知識や知見とデジタルシステムの知識や知見の両方が必要となります。特にデジタルを現場で活かすためには、ITに長け、更に企画立案という、まさに文系の想像力と理系の構想力の2つを兼ね備えている必要がありました。

 

②広告・プロモーション業界のスピード感に開発会社のスピード感が追い付かない
プロモーション業界は、4シーズン単位で様々な企画が展開されます。『4シーズン』即ち3か月単位での制作スピードが必要となります。また、「企画立案~仕様調整~デザイン・開発~テスト~運用開始」といった一連の流れを3か月間使えることはありません。この制作の流れを実質は3週間~1.5か月で行わなくてはならないのです。

 

③高額な開発費用の問題
たとえ良い企画を立案したとしても、主催者などの販促費用予算内に収まらなければ企画は実現しません。しかし一般的な開発工数にて数人で2~3か月の開発を行うとなった場合は、少なく見積ったとしても300万円程度以上の工数費用が必要となります。この制作費用及び運用開始後のインフラや保守費用を考えた場合、システム開発と運用にかかる費用が数百万円となってしまいます。これでは費用対効果(ROI)を考えた場合に、実現可能な企画として成り立たないことになります。

 

④業界における分業制
一つの案件を実施するには、複数の企業が作業を分担して制作や準備を行います。この作業分担に関わる企業が多くなればなるほど、調整が難航し時間が必要となります。いわゆる『ワンストップ』と言われるように可能な限り対応関係者を少なくすることによりスピード感を上げることができます。

 

まとめ

『on-siteデジタルマーケティング(モバイルプロモーション)』を考える際は、現場での動きやコンテンツとしての楽しさ、そして面白さに併せて対費用・制作スピードなど様々な知識や経験、そしてノウハウが必要となってきます。
そして、目先のキャンペーンを終えるだけにとどまらず、その後のマーケティング的、又、ビジネス的目線を持ち、今後の展開を踏まえた上での検討が重要となります。